ケンタッキーの暮らし
Louisville ルイビル
ケンタッキー州の北西部に位置する人口およそ80万人の街です。気温の変化が著しい地域で、春先に暖かくなってきたと感じていたら突然雪が降ったり、寒い冬が到来したかと思えば、急に暖かくなったりもします。そんな季節の変化に対応するためにも、日々の体力づくりは心がけたいところです。120以上もある公園は秋になると一斉に木々が紅葉し、街全体が秋景色となります。1875年から毎年開催されているケンタッキーダービーは、もはやお祭り的イベント。バーボンも有名であちこちに見学やツアーができる蒸留所が点在しています。このバーボンの輸出先のいちばんの国は、なんと日本なのです!
Lexington レキシントン
ルイビルから1時間ほどのところに位置する人工およそ30万人の街で、トヨタ自動車の工場があります。四季折々の変化に富んだ地域で、夏は暑く冬は氷点下になることもあります。春の花粉症にかかりやすい都市の全米ワースト1にもなっています。レキシントンにあるケンタッキー大学のバスケットボールチームは、優勝経験が何度もある強豪。NBAにもたくさんの人材を輩出しています。市内にはケンタッキー大学をはじめとする3つの州立大学を含め、14校の大学が存在する活気ある街です。
Elizabethtown エリザベスタウン
ケンタッキー州の中央に位置する人口3万人ほどの小さな街です。2015年の映画『エリザベスタウン』の舞台にもなりました。治安が良くて住みやすく、30年以上住んでいる日本人によると、一度も怖い目に遭った事がないそうです。フリーマンレイクが街の真ん中にありその湖を中心に街が広がっています。1年を通して四季がはっきりしており、春に満開するハナミズキは見ものです。湿気があるので真夏の気温が30度代後半になる時には外出が難しい日もあります。秋は紅葉が美しい季節。冬にはそれほど雪は降りませんが、道路は凍結することもあります。2024年からフォードエレクトロニックが隣町のグリーンレイルに進出するに伴い、エリザベスタウンも発展中でこのところの住宅の値段が劇的に上がっています。
気候
ケンタッキーは1年を通して温暖で過ごしやすいところです。日本のように四季がはっきりしていて、夏の平均最高気温は31度、冬の平均最低気温は-5度というように夏は暑く冬は寒いです。夏は湿気がありますが日本ほどではありません。冬には雪も降ります。州のニックネームがブルーグラス(牧草)というだけあって自然にも恵まれ、特に秋や冬は行楽に適したシーズンです。秋の紅葉は美しく、春のブルーグラスも見るものをうっとりさせます。
トルネード
アメリカ中西部や南部ではトルネードが発生します。ケンタッキーもそのひとつ。州や地域によっては、注意勧告を促すトルネードサイレンなるものもあります。2021年のケンタッキー州西部を襲った竜巻は記憶に新しいのではないでしょうか。各学校ではトルネードに備えて訓練があります。家を借りるときや購入するときなどは、地下にシェルターがある物件が良いと思う一方で、洪水などの災害もあるので、よく検討したいところです。水を吸い上げるための電気ポンプを取り付けている家もあります。
水が作り出したバーボンとダービーと洞窟の街
ケンタッキー州で有名な３つ、バーボン、サラブレット、マンモスケイブ。この３つに共通するものが「水」なのです。その名も「ライムストーンウォーター」。
ケンタッキー州の地盤は石灰岩でできています。雨が降って石灰岩に染み込んで濾過された水が湧き水になってケンタッキーのあちこちに流れていきます。その水は鉄分が少なくてカルシウムが豊富な純粋で綺麗な水、これこそが「ライムストーンウォーター」なのです。そしてこの「ライムストーンウォーター」を使って作られたものだけをバーボンと呼ぶことができます。この理由からもアメリカのバーボンの９５％はケンタッキー州で作られているのです。ご存知でしたか？ １９６４年、アメリカ合衆国議会によりケンタッキー州のバーボンは「アメリカのネイティブスピリット」として公認されました。街には蒸溜所が点在し、ツアーも各所で行っています。「ライムストーンウォーター」の手柄はバーボンだけではありません。ライムストーンウォーターで土地がどんどん削られて行き、ひとつの地形ができました。その地形の上に、馬がパカパカと歩くと足腰の良い優れた馬となるそうです。なだらかな起伏もあるし、そのうえブルーグラスが一面に生えていてそれが馬の足を痛めないクッションの役目をしているそうです。ちなみにケンタッキーのニックネームは「ブルーグラスステイト」。そして、この「ライムストーンウォーター」の環境下でできた壮大なものがもうひとつ、「マンモスケイブ」です。