網中さんがご夫妻でオフィスに面談にいらっしゃったのは2014年5月20日のこと。ESLの学校に一緒に通われているお友達から紹介を受けてご連絡を頂きました。
ん、網中さん?
どこかで聞き覚えがあるお名前…以前にもこのサイトをご覧になったとお問い合わせを頂いたことがありました。
ご相談の内容は、ご自宅のコンドミニアムのご売却。ご売却の進め方を面談でご説明申し上げた後に、お家訪問。お家のコンディションを確認させて頂くのと同時に、現在のこのコンドミニアム内の市況とマーケティングのノウハウをご説明させて頂きました。お伺いした6月3日時点では、同じ大きさのユニットが提示価格$104,900で公開日より3日目に契約に入っていることが分かりました。実際の契約金額はこの時点ではクロージングを迎えてみないと分かりません。ただ、公開してから3日目で契約に入っていることから、満額で契約に入っている事が予想出来ます。つまり網中さんの物件を公開する頃には、この物件の実績が出来上がっているはず。よって同額で公開すれば、ほぼ間違いなく2週間程度では契約に入れるはず。但し、この物件にはガレージが付いていましたが、網中さんの物件にはガレージが付いていません。管理会社に連絡を入れたところガレージの空きはなく、ガレージを手放してもいいという他のユニットのオーナーから買い取る必要があるようでした。過去の売却物件の公開記録を見ると$14,000でガレージの売買が行われた記録が残っています。
さて、どうする?
私が提案させて頂いたのは、ステージング。人は右脳で買い物をします。そして、後から左脳でその判断を正当化する。下見に来られた買手に「わーお!」体験をしてもらう。網中さんのお宅をプロのステージャーが選んだ家具やインテリアで分譲物件のショールームの様にするのがステージング。物件に入った印象が「まあまあ」じゃだめなのです。後から仲介士を通して情報を仕入れ、存在する$14,000の差を考慮する隙が出来てしまいます。
網中さんには、ステージャーとの打ち合わせをして頂いている間に、私はコンド内の他のユニットのオーナーさん、賃貸で借りているテナントさんに販売のお知らせのお手紙を送ります。これもかなり効き目があります。このお手紙で売約が公開前に決まってしまっていることもあります。今回も2名の方からお電話を頂きました。
コロンバスに遊びに来られていたご親戚の方を空港へお見送りした後の7月9日水曜日、いよいよ公開。
翌日の木曜日、最初の下見予約が入りました。下見後の金曜日、買手の仲介士から連絡。
「とても気に入ったけれど、この物件を$86,000で昨年の12月に購入した後に何を修復されたのが知りたい。」という質問が舞い込んで来ました。そこで以下のようなメールのお返事を書きました。
昨年12月の時期は、このコンドミニアム内の不動産価格が底値をついていました。売手が相続で引継いだこのユニットを売り急いでいるところに、たまたまぶつかりました。私たち仲介士ならば、冷蔵庫やテレビといったProductと違い不動産は市況で価格が上下するCommodity。株式のようなものと理解出来ます。現在はこのコンドミニアムの市況は上がり、実際に同じ大きさのユニットが$104,900でクロージングしています。また、少し前に公開された2つのユニットもそれぞれ契約に入っており、現在売りに出されているのはこの物件だけです。セントラルヒーティングの冷暖房器が生憎、公開前に故障しましたのでヒートポンプと一緒に新品に取り替えています。当分これで取り替える必要はないはずです。
同日、2つめの下見予約が日曜日に入りました。また、Zillow.comでこの物件を見た方から私のところへ直接問合せがありました。54才と56才のカップル。購入希望。「ここは55才以上のコンドミニアムと聞いているが、自分たちでも大丈夫か確認して欲しい」。管理会社に確認したところ、購入者並びに入居者が満55才に達している事は絶対条件。惜しい。55才のお誕生日も翌年の2月ということで断念。
そこへメールの回答を入れていた仲介士から電話がありました。
「もうオファーは入っているかしら?」
1つオファーが入りかけましたが入居者が55才未満ということでNGだったこと。日曜日に1つ下見予約が入っていることを伝えました。
すると、土曜日にこの仲介士から2度目の下見予約が入って来ました。
その晩7時過ぎ。この仲介士より提示価格より高い現金のオファーが入って来ました。
「他のオファーが入って来ないうちにこれで決めてしまいたいので、このオファー申し訳ないけど、今晩の11時までの有効期限にしてあります。」
オファーのその他の内容を確認。家のインスペクションや、現金の為、家の査定やローンが下りる条件も全くない無条件のオファー。クロージングも10日後。買手の残高証明も添付されていました。
すぐに網中さんにご連絡。届いたオファーに署名して頂き、メールで受け取り、買手の仲介士に転送。これで成約。
本日7月22日に無事クロージングと引渡を迎えた網中さんご夫妻のご感想です。
【網中さんからのコメント】